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小論文を克服しよう!(その3)

 

前回のコラム記事(小論文を克服しよう!―その②)では、

「自分を知る」

=「 考え倒す そして 尋ねる 」

 

この実行が非常に大事だということを説明しました。

 

今回は次の3ステップめ、「言葉を知る」ということを考えます。

 

「『言葉を知る』ってなんですか?」って?

 

 

今回のカギは

 

『正しく伝えることを意識する』

 

です。

 

ステップ2までは、小論文の内容を深くすること・濃くすることについて考えてきました。ステップ3では、「その『内容を正しく伝える』ためにどんなことを注意したらいいか」ということを考えます。

 

もう少し具体的に言うと、「原稿用紙の使い方や文法に注意して文章を書く」ということです。せっかくいい内容であっても、原稿用紙の使い方を間違えていたり、文法がきちんとしていなかったりすると、評価が下がってしまいます。逆に、原稿用紙の使い方や文法がきちんとしていると、試験担当官にきちんと読んでいただき評価していただけることになります。

書き方一つで評価が変わってしまいますから、『正しく伝えることを意識する』事は大切です。

 

これから、代表的な注意点を、原稿用紙の使い方と文法という二つの側面から記します。

 

 

①. 原稿用紙の使い方

 

a). 書き出し・段落変え

書き出しは一字下げ、段落変えの時は必ず改行一字下げを行ないます。改行によって生じた空白のマス目も字数として数えます。

※段落変えでないところでは、改行してはいけません。

 

b). 促音・拗音

促音「っ」と拗音「ゃ」「ゅ」「ょ」も、一マスに一文字を書きます。これらの文字は行頭に置くことができます。

 

c). 句読点

句読点「、」「。」、かっこ「()」、かぎかっこ「「」」などは、それぞれを一字として数えます。ただし、行頭に句読点「、」「。」、閉じかっこ「)」や閉じかぎ「」」を置いてはなりません。行頭に来る場合は、前行末のマスの文字と一緒に書きます。
また、『』(二重かぎかっこ)の使用は原則として、本のタイトル、グラフや図表のタイトルの引用を行うときにのみ使用します。句読点は、縦書き原稿用紙では「マス目の右上」に、横書き原稿用紙では「マス目の左下」に正確に打ちます。

 

d). くりかえし符号

くりかえし符号の「々」は行頭に置いてはいけません。例えば「人々」の「々」が行頭に来る場合は、「々」は「人」か「びと」と書いてください。また、「々」はマス目の中央に書きます

 

e). 記号類

「!」「?」「 ” 」「~」「…」などの記号類は基本的に使ってはいけません

 

f). 数字とアルファベット

数字とアルファベット文字の書き方は、縦書きと横書きで異なりますから注意しましょう。

 

イ. 縦書き原稿用紙

数字は、必ず漢数字を使います。縦書きの場合、算用数字を使ってはいけません。「一九九九年」、「二〇一三年」は、「千九百九十九年」や「二千十三年」と書いてもよいです。

しかし、あるところでは「一九九九年」と書き、一方では、「千九百九十九年」と書くような混用した書き方をしてはなりません。どちらかに統一して書きます。問題文や資料読解型の本文中にあるアラビア数字も漢数字に直して書きます。

アルファベットは基本的には使わずに表現します。ただし、アルファベットを用いないと表現できない語句はアルファベットで書きます。その場合は、そのまま縦書きにします。

単語や英文を書く場合は、横に寝かせて書きます。大文字は1マス、小文字やスペースは1マスに2文字入れます。

 

ロ. 横書き原稿用紙

原稿用紙が横書き用の場合、算用数字を用いることも可能です。もちろん、漢数字で書いても構いませんが、どちらかに統一します。算用数字とアルファベットの小文字は半角(1マスに2文字)扱いで、アルファベットの大文字は全角(1マスに1文字)扱いで書きます。

 

②. 文法

 

a). 誤字

字や送り仮名の誤り、漢字で書くべき文字のひらがな表記は減点対象となるので注意します

 

b). 呼称の使い方

呼称の使い方に注意します。一人称は「私」に統一します。「自分」や「僕」は用いません

身内の呼称にも注意します。「父」「母」「祖父」「祖母」「兄」「姉」「伯父(父母の兄)」「叔父(父母の弟)」「伯母(父母の姉)」「叔母(父母の妹)」といった表現を用います。

また、身内以外の人について書く際にも注意が必要です。「おじいちゃん」「おばあちゃん」「おじさん」「おばさん」等は口語表現となるため使用しません。

「おじいちゃん」「おばあちゃん」→「高齢者」「老人」

「おじさん」「おばさん」    → 原則として使用を避けます。「知人」など、

より一般的な表現を用います。

 

c). 文体

文体は常体(「だ・である」調)を使います。敬体(「です・ます」調)を使用してはいけません。

 

d). 書き言葉(=文語体)の使用

書き言葉(=文語体)を使います。話し言葉(=口語体)を使ってはいけません。

×(文頭で使用されている)「なので」「だから」→ ○「したがって」「それゆえ」「つまり」

×「あと」→ ○「また」「さらに」

×「ちゃんと(~する)」「しっかり(~する)」→ ○「十分に(~する)」「適切に(~する)」

×「~なのに」→ ○「~た(だ)が」

×「私的には」→ (使えません)

×「正直言うと」→ (使えません)

「ら」抜き言葉

×「出れる」→ ○「出られる」

×「見れる」→ ○「見られる」

「い」抜き言葉

×「してる」→ ○「している」

不適切な「ん」

×「しているんだが」→ ○「しているのだが」

 

e). 省略表現や略語

省略表現や略語を使ってはいけません。公的機関名や条約名を用いる際は注意が必要です。ただし、問題文の中に使用されている表記であれば、そのまま使用して問題ありません。その場合、表記を統一させましょう

×「携帯」「ケイタイ」「ケータイ」→ ○「携帯電話」

×「スマホ」「スマフォ」→ ○「スマートフォン」

×「コンビニ」→ ○「コンビニエンスストア」

×「部活」→ ○「部活動」

×「朝練」→ ○「朝練習」「早朝練習」

×「UN」→ ○「国際連合」

×「WHO」→ ○「世界保健機関」

 

f). 主語と述語の対応

主語と述語を対応させる。文章の基本中の基本です。

主語と述語を対応させなければ、不可解な文章になってしまいます。

この基本ができていない文章をしばしば見かけます。

 

<例文>

▲▲▲大学は、学業だけでなく、自主性やコミュニケーション能力を伸ばす学校としても、その校風を気に入っている。

なんか、変な感じではありませんか?

この例文は、「▲▲▲大学は」という主語に対して、「気に入っている」という述語を対応させているので不自然になるのです。

小論文の練習の始めの頃は、「とにかく書かなくては」という思いが先行してしまって、こんな文を書いてしまうことが多々あります。

「主語と述語を対応させる」という意識を持って練習することが大切です。

先ほどの例文は、主語が、「▲▲▲大学は」なら、次のような修正を施すことができます。

 

<例文の修正その1>

▲▲▲大学は、学業だけでなく、自主性やコミュニケーション能力を伸ばす学校としても有名だ。

この修正文は、主語(▲▲▲大学は)+述語(有名だ)が正しく連動しているので、すんなり理解できる文になりました。

その一方で、述語の「気に入っている」をそのまま生かしたいのなら、おそらく主語は「私」になるでしょう。つまり、次のような文章にする必要があります。

 

<例文の修正その2>

▲▲▲大学は、学業だけでなく、自主性やコミュニケーション能力を伸ばす学校としても有名だ。私はその校風を気に入っている。

この修正文は、「私は」という主語を加えて、述語(気に入っている)と正しく対応させ、理解できる文となりました。

この例文で考えたように、主語と述語を対応させる。これができていないと情報伝達が正しくできなくなります。十分に注意しましょう。

 

 

以上の2つの面を押さえることによって、小論文の内容を正しく伝えるために「言葉を知る」ことができます!!!!!

 

さらに細かい点に関しては、本屋で買った「小論文の書き方」の本や、webで「小論文 書き方」などと検索して確認してください。

また、学校やKATEKYOの先生に添削してもらいながら練習を続けることが非常に大切です。

 

「言葉を知る」

=「正しく伝えることを意識する 」

 

この実行は非常に大事です!!!!!

 

次回は最終回、「流れをつかむ」ということを考えます。

 

小論文、克服しちゃいましょう !!!

 

 

 

 

 

 

 

専属教師 門脇

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