継続学習の重要性 ~単元の結びつき~
長年、教育の現場に携わっていると、受験システムは別として、日本の教育における学問内容の教育体系には、つくづく感心させられます。無理のない内容拡張、専門分野を選択出来るよう配慮された幅広い基礎学力の導入、そして、連面で発展出来るよう考慮された内容構成にです。現在、学習進行中の生徒には、意識しにくいかもしれませんが、きちんと学習を行っていけば、大学で学ぶ専門内容に抵抗なく入れるよう、作られています。
具体例を挙げて示してみましょう。「数学での数」の拡張について、学年を追って見ていきます。
まず、小学校の算数では、0と、自然数、分数、小数を含む正の数が導入されます。続けて、中学校では負の数、無理数へと数の拡張が起こり、有理数と無理数を合わせた実数の範囲まで学習します。高校では、そこから虚数を学び、実数と虚数を合わせた複素数を学習することとなります。数の拡張は、高校数学をもって完成しますが、大学では、それらの数を使いこなし、理系では微積分学を中心とした学問を行います。
数学における数の拡張を例として挙げましたが、勿論、関数であれ、図形であれきちんと体系立てられています。他、全ての教科、科目が同様であることは言うまでもありません。
ここで、考えなければならないことは、継続した学習の重要性についてです。拡張型で進められていく教育課程においては、前学年での学習内容がしっかり定着していることが求められます。間に学習内容の欠落が生じると、次学年での学習に大いに影響を及ぼしてしまうのです。したがって、少しでも早くその事実を受け止め、低学年から学習を行う必要性について考えるべきです。また、既に抜けが生じていて時間が経過してしまっている場合は、早急に復習し、対処することが必要です。(代表番号:0246-25-2511)