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勉強に役にたつマンガ

皆さんは暗記科目といえば何を思い浮かべますか?私は真っ先に社会(特に歴史分野)を思い浮かべます。人名や出来事、地名、年号など覚える情報が多すぎて頭がまとまらない、イメージがしづらいという経験は無いでしょうか?

そこで歴史の勉強を楽しくする、さらに興味を持ちやすくするツールとして「信長のシェフ」という作品を紹介させていただきます。
料理人である主人公ケンは、現代から戦国時代にタイムスリップしてしまいます。自分のことはほぼ覚えておらず、現代の知識と自慢の料理を武器に激動の時代を生き抜いていきます。

この漫画のもう一人の主人公は作品名から分かるように、戦国武将の織田信長です。織田信長がメインとなる作品はいくつかありますが、この作品を今回おすすめにしたのは織田信長を軸にその周囲の人間模様まで描かれているからです。

織田信長の部下はもちろんですが、上杉謙信、武田信玄、武田勝頼、本願寺顕如といった敵将、キリスト教伝来の起源とされるルイス=フロイスやヴァリニャーニをメインとする回も存在し、戦国時代に渦巻いたそれぞれの野望や目的がストーリーに組み込まれています。

戦国時代は日本の歴史の中でも激動の時代です。室町幕府から織田、豊臣、徳川へと政治の中心は変化し、ヨーロッパが日本の歴史に登場し、文化、経済、思想など様々なものが大きく変わった時代でもあります。

その激動の時代の中心に居たのが織田信長です。中学の歴史の教科書では3~5行にしか満たない織田信長の記述ですが、実際には日本にとって重要なことをいくつも成し遂げている偉人です。その中でも本作品でも取り上げられている事例をいくつか紹介します。

 

経済・都市計画

織田信長は交通面、交易面での効率化を図っていたといわれています。京の近くでは関所を廃止し、行き来が自由にできるようになりました。もともと関所は貴族や武士たちの土地への警備、および収入源として使われおり、隣り合った土地の所有が別の人物であることが多かった時代の名残です。織田信長はこの関所が経済の発展に悪い影響を与えると考え廃止していったと考えられています。
また、織田信長は自分の領地を中心に道路の整備を進めていました。道が整備されることで牛馬や人の行き来がしやすくなりました。

戦争以外の交渉

戦国時代までの日本といえば交渉が決裂した場合の決定方法は戦争以外になく、そのため多くの合戦が行われていました。海外とも例外ではなく、幾度となく中国や朝鮮との戦争がありました。しかし、それに異を唱えたのが織田信長です。織田信長はどの人物よりもはやくヨーロッパとの外交を考えており、戦争ではなく話し合いこそが今後の外交を支えると予見していました。
織田信長がいまにもつながる外交の基礎を作ったのです。

ヨーロッパの侵略を阻止

実は戦国時代に日本はヨーロッパに侵略されそうになったことがあります。これを防いだのが織田信長です。
キリスト教を広めようとしていたイエズス会が日本を訪れたのは偶然ではありません。日本が知らない所で、スペインとポルトガルとの間で結ばれた協定がきっかけでした。その協定はある経線を境にして世界をスペインとポルトガルの領土に二分するというものです。日本は当時、海外の地図では存在すらあやふやで、場所に関してもはっきりとした情報はありませんでした。そのため日本は「スペインとポルトガルが両方とも所有を主張できる国」だったのです。当時、ポルトガルが日本に訪れた回数が多いのはその協定のせいです。

上記のように、信長のシェフでは織田信長だけでなく彼をとりまく人間関係の移り変わりや、彼を中心とした日本の変動も学ぶことが出来ます。読むだけで戦国時代に詳しくなりますし、興味がわくような作品になっています。夏休みの間の勉強のお供にいかがでしょうか?

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