勉強する理由は
「どうして勉強をするのか」という問いは、いつの時代もあります。
勉強している小学生、中学生、高校生のみなさんも一度は必ず考えたことがあるのではないでしょうか。
保護者様からは、「子どもに言われて回答に困った」なんて経験もよくお伺いします。
「自分のレベルをあげるため」
「将来やりたいことができるようになるため」
「将来生きていく力をつけるため」
理由はたくさんあるのでしょうが、その子の性格や環境、その質問に答える人との関係性などによって伝わり方は変わってくるのかもしれません。
先日あるニュースを見たとき、その答えの一つとなりうる気付きを得ました。
そしてその答えとは
「無知は他人を傷つけることがある」
というものです。
そのニュースは、洗剤の入ったボトルタイプのコーヒー缶が駅で破裂し、近くにいた2人がヤケドを負ったという事件です。ニュースによると、入っていた洗剤は強アルカリ性、入れていたコーヒー缶はアルミ製でした。
塩酸などの酸性の液体にアルミニウムや亜鉛、マグネシウムなどの金属を入れると水素が発生することは、中学1年の理科で習います。アルカリ性の液体に同様の金属を入れるとどうなるかまでは習わないかもしれません。しかしながら酸性の液体でそういう反応が起こるなら、アルカリ性の液体でもなんらかの反応が起きるのではないかと推測することはできると思います。実際にアルミニウムはアルカリ性の液体と科学反応を起こし、酸性の液体に入れたときと同様に水素が発生するのです。
今回の事件は、コーヒーのアルミ缶と強アルカリ性の洗剤が化学反応を起こし水素が発生、発生し続ける水素の圧力にアルミ缶が耐えられなくなり破裂、ケガ人が出たというものでした。もしもそうした化学反応が起こるという知識、もしくは起こるだろうという推測がなされれば回避できた事件だったかもしれません。しかし不幸なことに今回の事件で2人の方がヤケドを負いました。場合によっては命まで失われていたかもしれません。「そんな化学反応をするなんて知らなかったです。ごめんなさい」と謝罪すれば、すべてが許される状況にはすでにないということです。
今回のテーマに立ち返って、「どうして勉強をするのか」です。
その答えの一つは、「無知は他人を傷つけることがある」です。
他人を傷つけないようにするために、みなさんしっかりと勉強をしましょう。
余談ですが、理科の化学実験で使われる実験器具って色々ありますよね。ビーカー、フラスコ、試験管、ピペットなどなど。それらがどういう素材・材質で作られているのか思い出してみてください。そしてなぜそういう素材・材質で作られているのか、興味のある人は調べてみるときっと「勉強」になりますよ。