《 なるほど社会コラム:中学編 》 『 「円高・円安」ってどういうこと !? 』
中学3年になると、社会では
「公民」
という 憲法(法律)や政治, 経済, 国際関係などの学習に入ります。
その「経済分野」の学習の中で、
『 円高・円安 』
についての項目があります。
この項目、ちょっとややこしいんです。 そしてこの項目、入試に出たりするんです。
きちんと整理していないと、
「 『円高・円安』 なんだっけ? どういうこと !? 」
なんてあせってしまうことがあります。もったいないですね。
でも、整理しておけば、なんてことありません。「か~んたん」ですよ。
では、やってみましょう!
まず、「 『円高』とは、なにか 」 きちんと押さえておきましょう。
「 『円高』とは、『円が他の通貨と比べて強くなること』 」 ということです。
例で考えてみましょう。円とドルで考えてみます。
他の通貨と比べる割合のことを『為替レート』というのですが、
円とドルの為替レート(以後、「レート」ということにします)が
1ドル ⇔ 100円
とします。
これは、
『 1ドルもらうために、100円出さなければならない 』
ということを意味します。
そう考えると、円はドルより弱いですね。
これが
『円高』
になると
『円が他の通貨と比べて強くなること』
でしたから、
『円がドルと比べて強くなる』
ことを意味します。
ですからレートが変わって、
『1ドルもらうために、75円出すだけでいい』
という感じになります。
この場合、
1ドル ⇔ 75円
となります。
まとめてみると、
『円高』
の場合、
1ドル ⇔ 100円 ⇒ 1ドル ⇔ 75円
というふうに、一見、安くなったように見えます。
でもこれは、安くなったわけではないのです。
『 前は1ドルもらうために、100円出さなければならなかったのに、75円出すだけでよくなった 』
という、
『 円がドルと比べて強くなる 』ことを意味していました。
これが、
『 円高 』です。
では、『円高』 になると、どんな経済効果がおきるのでしょうか?
立場によって変わります。強けりゃいいってわけじゃないんですよ…
アメリカ人だったら、
『 前は1ドルで、100円分の日本製の品物が買えたのに、『円高』になってしまったので、1ドル出しても75円分の日本製の品物しか買えなくなってしまった。前のように100円分の日本製の品物を買おうとすれば、1ドル以上払わなければならない… ちょっと、日本製の品物を買うのはガマンしようかな… 』
なんてことになるんです。
アメリカ人が、日本製の品物を買ってくれなくなるので、これまでアメリカにガンガン輸出してきた『日本の輸出産業(主に工業)が打撃』を受けてしまうのです。
逆に、日本人だったら、
『 前は1ドル分買おうと思ったら、100円出さなければならなかったのに、『円高』になったので、1ドル分は75円だけ出せば買えるようになった。前のように100円出せば、1ドル分以上買うことができる… もっと、アメリカ製の品物を買おうかな… 』
というふうになるんです。
日本人が、アメリカ製の品物をいっぱい買ってくれるので、これまでアメリカから輸入したものを売ってきた『日本の輸入産業(主に大手サービス業[AEON]など)が好調』になるのです。
( ※もちろん、この話は、わかりやすく単純化したモデルケースですから、実際の日本や世界の経済が、いつでも完全にこの話のとおりになるとは限らないと思ってください。でも、基本的に、『円高』が起きると、このモデルケースに近い形で経済が流れてゆくと思ってください。)
というわけで、まとめです。
『円高』とは、『円が他の通貨と比べて強くなること』
為替レートで見ると
1ドル ⇔ 100円 ⇒ 1ドル ⇔ 75円
というふうに、
一見、安くなったように見える。
円高が起きるとどうなるか
『日本の輸出産業(主に工業)が打撃』を受け、『日本の輸入産業(主に大手サービス業[AEON]など)が好調』になる
となります。
これがわかれば、
『円安』
も簡単です。
『円高』の真逆 だからです。
こんなふうになります。
『円安』とは、『円が他の通貨と比べて弱くなること』
為替レートで見ると
1ドル ⇔ 100円 ⇒ 1ドル ⇔ 125円
というふうに、
一見、高くなったように見える。
円安が起きるとどうなるか
『日本の輸入産業(主に大手サービス業[AEON]など)が打撃』を受け、『日本の輸出産業(主に工業)が好調』になる
となります。
以上です。
これが、よく入試問題で出される『円高・円安』の基本的な考え方です。
「 えっ、こんな感じでいいんですか? 」
と思ったキミ、できますよ!
『円高・円安』の問題、迷わず解いて、得点源にしてください!