【郡山駅前校】英文法のハナシ(ifの中にwillを使わない理由②)
「時・条件を表す副詞節中では、未来のことも現在形で表す」という分かりにくいルールと対峙する前に、まず「will」について触れます。前回のコラムでは、will=未来、ではないというお話をしました。では、willの意味とはどういうものでしょうか。
willの意味、たくさん習ったのではないでしょうか。意志未来、単純未来、依頼、勧誘、法則、性質などなど。前回の冒頭で、英文法を嫌いになる理由として、「むやみと覚えることが多い」ことを挙げましたが、確かに、一つの語の意味を、こんなに覚えなければいけないとしたら大変ですね。わたしも気が進みません。
実は、このwillの意味、そんなに覚える必要はないんです。2つでいいです。2つでいいというのは、その2つの意味しか実際に「使われていない」ということではなく、2つ覚えておけば、他の全てに「応用が利く」ということです。具体的に見ていきますね。willの2つの意味とは、「意志」と「予測」です。
willの意味
1.意志「~するよ」
2.予測「必ず~する」
1の「意志」は、学校で意志未来と教わるものです。
I will help you with your homework.(宿題手伝うよ)
I will call you tonight.(今晩、電話するよ)
こちらは、そんなに問題は無いのではないかと思います。
問題は2の「予測」で、こちらは、単純未来と習って、「~だろう」と訳されることが多いものですね。
Ken will come here by five.(△ケンは5時までにはここに来るだろう)
訳に△をつけておきましたが、その通り、○は与えられない訳です。willは「~だろう」という弱い意味ではありません。「必ず~する」という強い意味を持っています。よって、上の文の訳としては、「ケンは5時までには必ずここに来る」とした方がいいです。断言しているような調子なんですね。
Yumi will be 18 next month.(ユミは来月18歳になる。)
この文で、「ユミは来月18歳になるだろう」なんて訳したら、おかしいですよね。まるで、そうならない可能性があるような言い方です。willの予測は断言だと捉えましょう。
「意志」と「予測」、willは、この2つだけおさえておけば、他の全ての意味に応用できます。具体的にやってみます。
Will you open the window?(窓、開けてくれない?)
このwillは、普通、「依頼」の意味だと覚えますが、これは、「意志」の派生にすぎません。「あなたは窓を開ける意志があるか」と尋ねているわけです。
Will you go shopping with me?(一緒に、買い物行く?)
このwillは、「勧誘」だと教えられますが、これも、「意志」の派生です。「あなたはわたしと買い物に行く意志があるか」ときいているわけですね。
Accidents will happen.(事故は起こるものだ)
このwillは、「法則」だということになっていますが、これは、「予測」からの派生です。「事故というものは必ず起こる」と言っているわけです。
Oil will float on water.(油は水に浮く)
「性質」なんて言われますが、これも、「予測」からの派生です。「油は必ず水に浮く」と言っているだけです。
My grandma will text me every morning.(おばあちゃんは、毎朝、わたしにメールをくれる。)
「習慣」ということになっていますが、これも、「予測」からの派生。「おばあちゃんは、毎朝、必ず、わたしにメールをくれる」ということですね。
このように、willの2つの意味をおさえておけば応用が利き、ただ闇雲に暗記するのとは違った捉え方が可能となります。
次回③に続きます。
(栗林)