とある授業風景3
H君とは、定期テストの勉強を頑張っています。
でも、通い始めの頃のH君は、テストの点数に関心がありませんでした。勉強はつまらなそうでした。授業中は無口。私の話を聞いているのかいないのか、さっぱりわかりませんでした。
ある時、お母さまからH君には進みたい進路があると聞きました。それを聞いて、私は、
「進路実現のためには、定期テストの点数を上げるのが必須です。」
と、お話ししました。お母さまは家に帰ってからそのことをH君に言ったのですが、反応はなかったそうです。
それから、私はH君に定期テストの大切さを伝え続けました。が、H君の心には響きませんでした。
しかし、H君のほうから進みたい高校の名前を私に言ってから、彼の表情が変化しました。きりっとした顔つきになりました。
「数学の予習がしたい。学校の授業はちっとも分からなくてつまらなかった。でも、予習していけば、授業が分かって集中できる。そのほうがいい。」と、H君から意欲たっぷりの希望がでました。
英語中心だった授業から数学中心の授業に切り替えました。真剣な表情で私の説明を聞くようになりました。授業態度が、格段良くなりました。宿題も必ずやるようになりました。
H君は目標が定まって、覚悟が決まりました。「覚悟」は「行動」の原動力です。「覚悟」が決まるタイミングは人それぞれですが、H君は早めに「覚悟」が決まってよかったと思っています。
このあとの定期テストで数学が大幅に点数アップしました!理科は自宅で頑張って自分で勉強していました。
理科の点数は少しだけ上がりました。でも、あと少しで正解だった問題がたくさんありました。ミスはミスでもこれからにつながるいいミスに成長しました。このミスは、次回のテストに生かせました。
H君は、分からないときは粘り強く考えるようになりました。あきらめなくなりました。
H君は、相変わらず無口ですが、表情が豊かになっています。
希望の高校にH君が一歩一歩近づいている感じが確実にします。春が来るのが楽しみです。