大学の選び方「キャンパスの場所」
指導を担当している高校生の生徒さんからこんな質問を受けました。
「大学進学を考えているのですが、自分の学びたい学部を選ぶのはもちろん、できれば東京に行きたいので東京にある大学に進学したいんです」
私はこう答えました。
「たしかに東京は魅力的な都市だから、一度は住んでみたいよね。ただし大学選びで気をつけなくちゃいけないのは、例えば東京にありそうな名前の大学でも実際は複数キャンパスを持っていて、東京じゃないところで勉強することもあるんだよ」
そう言うと、生徒さんは非常に驚いていました。おそらく大学が複数のキャンパスを持っているということを知らなかったのだと思います。
私の高校時代の話ですが、私は東京のとある大学へ、仲の良かった友人は東京農業大学に進学が決まりました。当時彼からそれを聞いた私は、
「東京農業大学に行くなら俺たち東京でもまた会えるし遊べるじゃん。よかったな!」
と言いました。
するとその友人はとんでもないことを言ったのです。
「いやーそれがさ、自分が入った学部って、キャンパスが北海道にあるんだよね。しかも網走。いや、刑務所に行くわけじゃないから!」
彼の最後の冗談すら耳に入らないほど、私は衝撃を受けていました。
東京と名の付く大学に進学するのに、キャンパスのある場所が東京ではなく北海道の、しかも端っこの網走にあるという事実に。
もちろん彼は合格したら網走のキャンパスで学ぶことも承知の上で受験していました。ちなみに東京農業大学は東京の世田谷に本部キャンパスがあり、ほかに厚木キャンパス、そして北海道にオホーツクキャンパス(話に出てきた網走のキャンパス)を持っています。
今回伝えたいことは、自分が学びたい学部学科を選ぶことはもちろん、入学後にどこで学ぶことになるのかもしっかり調べておく必要があるということです。
東京農業大学のように学部によって学ぶキャンパスが異なる大学もありますし、慶応義塾大学のように学年によって通うキャンパスが変わる大学もあります。
大学を選択する上では、なにを学びたいのかをしっかりと決めることが最優先事項であり最重要項目ではありますが、入学後どこで学ぶことになるのかも重要な要因のひとつになります。
しっかり調べたうえで、悔いのない大学・学部・学科選択をして欲しいと思います。