『数学では「後回し」も戦法』
皆様は「嫌なことは後回しにしない」「大変なことは後回しにしない」などと言われた経験・言った経験はあるでしょうか。
夏休みや冬休みの大量の宿題を後回しにしてしまうと、最後の数日で巻き返すのは非常に大変です。宿題は前々から計画的に取り組むのが良いでしょう。
しかし数学では、場合によって「後回し」したほうがむしろ楽な場面もあるので紹介します。
例:比例式によりxの値を求める場合
x:81 =16:27
27x =81×16
比例式では、【外側同士を掛ける、内側同士を掛ける】と習っているかと思います。
さて、ここで81×16を先に計算した場合はどうなるでしょうか。
27x =1,296 (←ここでかけ算の筆算をしました)
x =1,296/27
x =48 (←ここでわり算の筆算か大変な約分をしました)
上記のように大変な作業を2回行ないました。
配達の仕事で例えると、荷物を1階から2階に運ぶにあたり、わざわざ5階まで上ってからまた2階に下りて配達したような形です。
計算の達成感はあるかもしれませんが、試験では時間が掛かるうえ、計算ミスをしてしまう可能性も増えます。
では、81×16を「後回し」した場合はどうでしょうか。
27x =81×16
x =81×16/27 (←81と27は約分できます)
x =3×16
x =48
81×16を「後回し」にし、27も含めてまとめて約分をしました。約分もさほど大変ではありません(=計算ミスも減らせます)。
タイトルから外れますが、平方根の計算(例:√35×√42)なども手順次第で楽になります。
√35×√42 =√1,470 =√(2×3×5×7×7) =7√30
(↑かけ算の筆算と素因数分解の筆算をしました。大変です)
√35×√42 =√(5×7)×√(2×3×7) =7√30
(↑先にそれぞれ√の中を素因数分解しました。楽です。こちらは「下ごしらえ」といったところでしょうか)
時間と集中力は限りがあります。試験の時は、「後回し」あるいは「下ごしらえ」で楽をしてはいかがでしょうか。