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数学の説明の重要性

小学生を主に指導担当している先生から、休憩時間にこんな話を聞きました。

自分が指導している小学生が学校で算数のテストをやったのだが、そのテストの中で本人は正解だと思っていた問題で減点されていて、いまひとつ納得がいっていない様子であると。

その問題とは次のようなものでした。

「ここに長さ3cmの1本の針金があります。それを6mmずつ切ると何本の針金ができますか?」

 

この問題に対してその小学生の子は

(式)3cm÷6mm=5
(答え)5本できる

 

と答えを書いたそうです。答えとしては合っていましたが、学校の先生からは「この式では答えは5になりません」とコメントが書かれてあり、減点されたと言っていました。

 

さてみなさんはこの内容についてどのように感じたでしょうか?

 

いろいろな意見があると思いますが、私個人としては学校の先生と同様、正解にはせず減点すると思います。

この算数の問題について、小学生の答えの数字だけを見れば「5(本)」は確かに正解です。しかし、cmとmmという違うふたつの単位を混同したまま計算式を書いたことが問題であったと思います。

数字だけ見ると立てた式は

3÷6=5

 

となり等式が成立しません。

学校の先生はこのことをもって「この式では答えは5になりません」とコメントしたのではないか、と私は推測します。

「3cm=30mmなんだから、それを6mmで割れば5になるから正解じゃないか」と言う人もいるでしょう。ですがそれなら「3cm=30mm」と一行そのように書けばいいのです。

 

今回の設問は小学生に対するものなので、出題した学校の先生の設問意図としては

1.3cmは30mmであるという単位の換算ができるか
2.その3cm=30mmを6mmずつ分けたら5本になるという割り算ができるか

というふたつのことを確認したかったのでしょうから、

1.3cm=30mm
2.30÷6=5

 

以上のことを記述すれば減点されずに正解になったと思います。

小学校での算数の世界では答えさえ合っていれば〇がもらえるかもしれませんが、これが中学以降の数学の世界になると解法(どのように考えたか)を正確に伝える事が要求されます。

前提条件が書かれていなかったり、どのように考えたのかを説明できないと、理解していないとみなされ減点されることも多々あります。

問題を解く本人が頭では分かっていてもどういう経緯でその解答に至ったのか、それが採点する人に伝わらなければ、その説明が不十分ということで減点または不正解になることがあるということです。

自分の答案は、自分ではなく他人である採点者が採点するということを忘れないようにしましょう。

小学生だけではなく、中学生・高校生もどうすれば自分の考えていることが相手に過不足なく伝わるか、わかりやすく理解してもらえるかを念頭に置いて算数・数学の数式の記述をして欲しいと思います。

そしてこれは数学の世界に限った話ではなく、例えばプレゼンテーションなどで自分の意見やアイディア等を相手に伝える場合にも要求される能力です。数学はそのような場面にも役に立つ教科であることを覚えておいてくださいね。

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