暗記は脳の筋トレ? ~指導事例~
指導を開始したばかりのSくんは英単語を覚えるのが苦手でした。Sくんなりに努力はしていたようですが、なかなか定着していなかったようです。
実際にどのように単語練習をしていたのか、目の前で実践してもらいました。すると、単語を見て書くことを何度も繰り返していました。
書くことは決して悪い方法ではありませんが、単語を写しているだけ、コピー機のような作業になっていたため、筋トレになぞらえ、次のようにやり方を変えてみました。
①単語を音読する(発音を理解する)
②何も見ずに単語を書き出してみる(思い出す)
③正しいスペルをチェックする
これまでのSくんの単語勉強は脳になんの負荷もかかっていない状態でしたので、運動部に所属するSくんに分かりやすいように、筋トレになぞらえ、脳に負荷をかける(思い出そうとする)方法をお伝えしました。
これまでひとつの単語を20~30回と書いていた勉強を、『単語筋トレ方法』に切替え、1回で練習する量を減らし、その代わりにコンスタントに①~③を繰り返すこととしました。
徐々に単語が定着するようになり、当初覚えた単語のコンスタントな①~③の繰り返しは、今では2週間に1回のチェック(記憶のメンテナンス)だけ、それでも十分に記憶(単語)を維持できるようになってきました。
単語学習の進め方を理解できた現在は、定期的に単語学習の計画をアップデートしてあげるだけで、自分一人で進められるようになってきました。
単に勉強を教えるのではなく、勉強のやり方を教えてあげて、徐々に自立した学習ができるよう導いてあげるのが私たちの責務であると考えます。個々人により必要とする記憶のメンテナンスの頻度や、そもそもの効率的な単語習得の方法は変わってくると思いますが、Sくんには上のような方法があっていたようで、単語学習は自立しつつあるので、現在は文法理解の強化を進めているところです。
1対1で教えてあげることが可能なこの環境で、一人ひとりにあった学習方法を創意工夫しています。『やればできる』という手応えを提供することで、学習全体へのやる気喚起につなげていければ、指導者としてこれに勝る喜びはありません。
勉強面でお困りごとやご心配な点がありましたら、一緒に乗り越えられるよう精一杯指導させていただきますので、ぜひ一度、教室までお越しください。(代表番号:0246-25-2511)