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2021年の大学入試に向けて

今、十年に一度の学習指導要領の改訂に向けての作業が行われています。では、具体的に何が変わり、今後子供たちにはどういった力が必要になってくるかを今回は説明したいと思います。

 

(1)「高大接続改革」の一環として

 

「大学入試」は、2021年度から大幅に変わります。ただし、入試だけを変えるのではなく、大学教育、高校教育、大学入試選抜を一体とした「高大接続改革」であることに、注意が必要です。

改革の発端は、大学教育の在り方を検討してきた中央教育審議会の「社会から信頼される卒業生を育てる大学教育に変えるためには、学生を送り出す側の高校にも変わってもらわなければならない。高校教育を変えるためには、その障壁となっている大学入試も変えなければならない」という問題意識だったからです。

2014年12月の中教審答申「新しい時代にふさわしい高大接続の実現に向けた高等学校教育、大学教育、大学入学者選抜の一体的改革について」を受け、文科省は2015年1月、実現までの工程を示した「高大接続改革実行プラン」を策定しました。同年3月、改革の具体的方策を検討する「高大接続システム改革会議」が発足し、2016年3月に最終報告をまとめました。これを基に2016年度から文科省は、高校版全国学力テストともいうべき「高校学校基礎学力テスト(仮称)」(2019年度創設)とセンター試験に変わる「大学入試希望者学力評価テスト(仮称)」(2020年度創設)の研究開発に着手します。

 

(2)「学力の3要素」を問う選抜に

 

高大接続改革における入学者選抜は、3段階で「学力の3要素」を担保・評価することを目指しています。第1段の基礎学力テストは、学校単位も含めた希望参加方式で、主に高校1・2年生が受験します。知識・技能と思考力・判断力・表現力をバランスよく問うことで、基礎学力の定着と学習意欲の喚起を狙います。

第2段の学力評価テストは、PISA(OECDによる生徒の学習到達度調査)や全国学力・学習状況調査のB問題(主に活用)も意識した問題により、知識・技能を基盤として、答えが一つに定まらない問題に自ら解答を見出していくために必要な思考力・判断力・表現力を中心に問います。記述式問題を導入する一方、マークシート方式でも、多数の正解があり得る問題や、複数段階の判断を問う「連携型複数選択問題(仮称)」を出題します。

第3段の入学者選抜では、一般・推薦・AOといった入試区分を廃止。各大学がアドミッション・ポリシー(入学者受け入れの方針)に基づき、学力評価テストや高校の活動報告書、エッセイ、入学後の学習計画書、ディベートなど多様な資料に基づき、主体性・多様性・協働性(学校教育法上の学習意欲に相当)を含めた、多面的・総合的な選抜を目指します。

 

(3)「1点刻み」の入試対策から脱却へ

 

システム会議の最終報告では、多数のストック問題からランダムに出題するIRT(項目反応理論)方式やCBT(コンピュータ利用型テスト)方式の導入、「文字数の多い記述式」(400字程度までを想定)なども提案していますが、これらが実際にいつ実現できるかは、研究開発の成果を見てみないと何とも言えない、というのが正直なところのようです。しかし、重要なのは、「入試」方法に左右されることなく、高校・大学を通じて学力の3要素を着実に育成し、将来の社会で活躍できる次世代を育成する「高大接続改革」なのです。

 

郡山開成山校 教務部 佐藤 克浩

 

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