《 なるほど数学コラム:高校編 3》 『log x って 自然対数?常用対数?』
今回は、「対数」の表わし方についてです。
数Ⅱで「対数」を始めて学習する時、
log a x
という書き方を教わります。
これは、「 『 aを何乗したらxになるか 』を表わす 」という意味になると説明されます。
ですから、
log a x = p
という式があったら、『 aを何乗したらxになりますか → p乗です 』 という意味になります。
対数の学習が進んでゆくと「常用対数」というものを学習します。
それはこんな表わし方をします。
log 10 x
そうするとこれは、『 10を何乗したらxになりますか 』 という意味になります。
この時に、この常用対数は、
log x
と表わすこともできると説明されます。
その後さらに対数の学習が数Ⅲまで進んでゆくと「自然対数」というものを学習します。
それはこんな表わし方をします。
log e x
これは、『 eを何乗したらxになりますか 』 という意味になります。
ちなみに「e」は、ネイピア数といわれ、e≒2.718と定義されています。
この自然対数log e x は、微分すると 1/x になるという特徴があり、数理上の複雑な計算をするうえで非常に便利な対数です。
この自然対数の学習時にも
log x
と表わすことができると説明されます。
この時、常用対数のことをよく覚えていた生徒さんたちは、
「 これから、対数 log x と、示された場合、「常用対数」として受け止めればいいのか、「自然対数」として受け止めればいいのか、どちらなのか?????」
と混乱してしまう場合があります。
学校の数学の先生が説明してくれたかもしれませんが、『数学』や統計学の世界では『対数』というと『自然対数』を指すことが多いです。
ですから、log x と、示された場合、「自然対数」として受け止めればいいのです。
ちなみに log x を ln xとあらわす場合もあります。
「じゃあ、常用対数のときの話はなんだったんだ?????」
と思うかもしれません。
常用対数は10進数と関連付けやすく、実際に値を求める際に便利なので、生物・化学・工学の世界ではlog 10 x をlog xと省略して表記することが多い。と覚えてください。
そこまでの説明がないまま、ただ、「 log e x は log x と省略して書き表すことができる 」 と説明されてしまっている場合が多いのかもしれません。
というわけで、
「 今後、『数学』の問題では、「常用対数である」という注釈がない限り、
log x (または ln x)と示された場合、「自然対数」として扱う 」
として、迷わず解きまくってください!