2022年度 福島県立高校入試分析「理科」
2022年3月3日に行われた福島県立高校入試「前期選抜試験」の「理科」についての分析です。
総評
昨年、一昨年と同様、小問集合問題は無く、【大問1】から【大問8】まで実験・観察などについて書かれた文章を読んで設問に答える形式。難易度は例年通りであったが、計算問題については難易度が下がった。
また、各問題文が長文のため、よく読んで理解した上で回答する必要があった。他の教科でも同様の傾向があり、ここ数年の流れとして、理科的な知識や処理能力のみならず、文章読解力、つまり国語力も培ってゆくことは必須となっている。また、記述式の説明問題も含められており、知識だけではなく、応用力や表現力も求められている。
出題分野は、生物、地学、化学、物理の各分野から大問2題ずつで、例年通り偏りのない出題となっている。得点をのばすには各分野バランスよく学習しておくことが重要であろう。
大問1
植物のつくりと分類についての知識が問われると同時に、観察に用いる器具についても問われた問題。
教科書の内容を理解し、基礎的問題の反復練習を十分に行なっていれば、おおむね得点できるところである。
学習する領域で観察に用いる器具の特徴や操作法などもおろそかにせず学習をしておく必要がある。
大問2
生殖についての出題。 単細胞生物の種別とつくり、細胞分裂についての知識が問われた。
書き出しが指定される形式の記述式の問題もあり、知識を暗記するだけではなく、文章でまとめたり説明したりする力も問われた。
大問3
先生と生徒の会話を読んで答える問題。火成岩、堆積岩、地層などについての知識が問われた。
先生と生徒の会話文の下線部の内容を、学習したことと対応させられるかが問われているため、会話文に惑わされずに内容を読み取り、上にあげた理科の知識がしっかりしていれば、正答できただろう。
大問4
気象の問題。教科書の内容を理解し、基礎的問題の反復練習を十分に行なっていれば、おおむね得点できたと思われる。
語句指定の記述式の問題もあり、【大問2】同様、知識を暗記するだけではなく、文章でまとめたり説明したりする力も問われている。
大問5
溶液の性質(溶解度や再結晶など)や濃度に関する問題。【大問4】同様、教科書の内容を理解し、濃度の計算式を確実に覚えて計算練習するなどの基礎的問題の反復練習を十分に行なっていれば、おおむね得点できたと思われる。
大問6
酸化銀の熱分解と酸化銅の還元の問題。
(2)で、化学反応式の記述問題が出された。化学分野の代表的な反応の化学反応式をしっかり覚えていたなら解答できる問題。(3)は、【大問2】と同様、書き出しが指定される形式の記述式の問題。知識を暗記するだけではなく、文章でまとめたり説明したりする力が問われた。(4)は、反応前と反応後の酸化銅と銅についての関係をとらえて比例式を立てることができれば解答できた問題。
大問7
電気分野の問題。電気回路やオームの法則や抵抗に関する知識や計算能力が問われた。
(1)は、グラフを読み取り活用する力と、オームの法則についての知識が問われている。(2),(3),(4)は、回路を流れる電流の性質や、抵抗の性質を理解し、組み合わせて考えることができれば解答できる問題。(5)は、グラフの抵抗器aもしくはbから、並列回路全体にかかる電圧をとらえ、その電圧と、電流計Yからわかる回路全体に流れている電流を使い、オームの法則で計算できれば、正解を導き出せる。
大問8
力の分解や力のつり合いについての問題。
(1),(2)は、力の分解の知識や、作図の方法がわかっていれば解答できた問題。(3),(4)は、力のつり合いについての知識を活用して応用することができれば解答できた問題。
2022年度 福島県立高校入試分析「数学」
2022年度 福島県立高校入試分析「国語」
2022年度 福島県立高校入試分析「英語」