【郡山駅前校】「あえて途中でやめてみる(後編)」
前回は、仕事における「途中でやめてみる」事例をお届けしました。
今回は勉強についてお話ししたいと思います。
勉強を始める時に、皆さんは「今日は(今日も?)やる気が出ないなぁ」と思う時はありませんか。筆者はいつもそうでした…。脳研究者の池谷裕二氏の『海馬 脳は疲れない』によれば、
「やりはじめないとやる気は出ません。脳の側坐核が活動するとやる気が出るのですが、側坐核は何かをやりはじめないと活動しない」
のだそうです。言い換えれば「やる気が出るのを待っていたのではいつまで経ってもやる気は起きず、実際にやり始めることでやる気が出る」ということのようです。そういえば、気が進まなかった部屋の片付けも、いざ始めてみると、いつの間にか汗だくになるくらい集中していた、なんてことがしばしばあります。「やり始めることでやる気が出る」一つの例ですね。
そこで「あえて途中でやめてみる」の出番です。前の日の勉強を切りのいいところで終わらせるのではなく、少し手前でやめてみましょう。10ページやる予定を9ページ半で止めるとか、解く問題を一つ残すとか、次の日に回してみるのです。切りのいいところで終わらしてしまうと、「どの教科をやろう」とか「どこから解こう」などと選択肢が広がって、始める際にふと立ち止まってしまいます。それに対し、やり残しがあれば、やることが決まっているため考える必要がなく、スタートのハードルが下がります。やり始めることでやる気を喚起しやすくなります。
やり残すのは落ち着かない、という方は「始めるハードルを下げてとにかくやり始める」ことが大切ですから、「簡単な計算問題から」とか「好きな教科から」取り組むという方法で応用が利きそうです。いずれにしても、「やる気を喚起するにはやり始めることが有効」ということを心に留めておきたいものです。