中学数学 関数分野が苦手な生徒さんへ
関数が苦手になる理由には、式・グラフ・座標などいろいろな要素があり、また文字が増えることによって、問題文の整理がしにくいことや解法の手順が分かりにくいことが挙げられます。ここでは、中学数学の関数分野の大事な言葉の意味や違いを解説し、その注意点を挙げています。関数問題の解法に役立つ基本事項として、参考にして頂ければと思います。
【中学3年間の関数分野関連の章(代表的な教科書例)】
中学1年 3章 比例と反比例 y= ax , y =a/x
中学2年 3章 1次関数 y = ax + b
中学3年 3章 2乗に比例する関数 y = ax²
1.変数と定数の違い
「関数」の定義は「xとyはいろいろな値をとるが、xが1つ決まると、それに対応してyの値がただ1つに決まる」です。
上の式には、a,b,x,yの4つの文字があります。この4つの文字には次のような大きな違いがあります。
x と y ⇒ いろいろな値をとる ⇒ 変数 xとyは式で関係がある数
a と b ⇒ 一定の数やそれを表す文字⇒ 定数 aとbはある決まった数
◆注意1
y= ax + bは、1次関数を表す代表的な式ですが、
y= mx + n など、a、b以外の文字を定数として使うこともあります。
(m、nは定数を表す文字)。
関数の問題で、式や座標を文字で表すときに、まずはその文字が変数なのか定数なのかを区別することが大事です。
◆注意2
x、yは変数を表す文字ですが、問題の条件によって数字、x、y以外の文字で表すこともあります。
【問題例】
(1) 1次関数y=2x-5について,x=1のとき,x=3のときのyの値をそれぞれ求めなさい。
⇒式 y= ax + bにおいて、定数a=2、b=-5 の場合で、変数 x、yを数字で求める。
式:y=2x-5の
xにx=1を代入して、 x=1のとき、【答え】 y=-3 →点(1,-3)
xにx=3を代入して、 x=3のとき、【答え】 y= 1 →点(3,1)
(2)グラフy=2x-5上に,点(3,b)があるとき、bの値を求めなさい。
⇒点(3,b)は、x=3, y=bを表すので、
式:y=2x-5にx=3, y=bを代入して、
b=2×3―5,
【答え】 b= 1 →点(3,1)
(3)2点(1,-3),(3,1)を通る直線を求めなさい。
⇒求める直線の式をy = ax + bと表す。
与えられた2点の座標(x、y)をそれぞれ式に代入して、定数 a、bを求める。
式:y=ax+bのx , yに x=1, y=-3を代入して、
-3 = a+b ・・・①
次にx=3, y=1を代入して、
1= 3a+b ・・・②
連立方程式①,②から定数、a=2 , b=-5を求める。
【答え】 y=2x-5
いわき倉前校 専属教師 竹川